アメリカ合衆国が誕生したこの年、初めてのバーボンウイスキーが造られたと言われています。
それは、ケンタッキーのひとりの牧師の手によるものでした。
牧師の名はエライジャ・クレイグ。
本業のかたわら、副業としてウイスキー造りに励んでいた彼は、ある日、鶏小屋に置いていた熟成用の樽を、火事で焦がしてしまいました。
偶然に起きたこの事件が、バーボン特有の味と香りを作ったと伝えられていますが、確かなことは今でも判っていません。
- エライジャ・クレイグ牧師
- バプティスト派の牧師・エライジャ クレイグは、バーボンウイスキーの基本製法を考案した人物と言われています。
ただし、彼の造ったウイスキーの製法とは、トウモロコシにライ麦と大麦を混ぜて火にかけ、糖分を抽出し水を混ぜ、
リンゴとプラムを入れ発酵させ、のちに蒸溜するというものでした。
また、バーボンウイスキー特有の風味を作る「樽を焼く」という製法についても、
クレイグ牧師がある時鶏小屋の火事で樽の底を偶然にも焦がしてしまったことから始まったのです。
その樽で熟成したウイスキーはこれまでになく深い琥珀色をし、木の香りが豊かで評判となりました。
この出来事が、バーボンの味と香りに欠かせない「チャー(樽焼き)」の誕生と言われています。
- エヴァン・ウイリアムス(1783年)
- クレイグ牧師の出現より6年早い1783年、エヴァン・ウイリアムスという人物が
トウモロコシからウイスキーを造ったという記録が残っています。
彼は、ケンタッキー州ルイヴィルで、ライムストーンから湧き出る水を発見し、
これを仕込み水として使ったと言われています。 彼を「バーボンの父」として挙げる説も根強いのです。
- アメリカン・ルビー
- クレイグ牧師の造り出した新しい酒は、内側を焼いた樽で熟成させるために、
それまでのウイスキーよりも赤みが強くなりました。
この初期のバーボンウイスキーは、その色合いから「レッド・リカー」「リキッド・ルビー」などと
呼ばれるようになったのです。これがバーボンの別名「アメリカン・ルビー」の由来となっています。